しゅりるは、赤羽岩淵にある浄土宗寺院・正光寺様の境内をお借りして活動しております。どなた様でも歓迎ですので、活動日にはぜひお越しください。

〒115-0041
東京都 北区 岩淵町32

次回開催の情報のほか、しゅりるの黒板の情報や、地域にまつわる情報を配信します。匿名で参加できますので、ぜひご利用ください。

毎月、最終水曜日に開催しております(12月のみ変則です)。

毎月、お掃除や体操の他、様々なレクリエーションも企画しております。
地域の福祉の方もいらっしゃいますので、生活にお困りのことなどありましたら、ご相談ください。


≪ 「お掃除」からはじまる社会教育・地域創生 ≫

赤字は目標達成したもの
短期1年、中期5年、長期10年を目安とする


「しゅりる」は、教育・福祉・地域創生を目的として、大正大学の大学生によって企画されました。

まず、社会問題となっている孤立死を未然に防ぐために、地域の寺院を中心として高齢者のコミュニティづくりの場を作ろうという趣旨からはじまりました。私たちが行うことは、ボランティアといった高尚なものでは決してなく、教育・福祉・地域創生を目的とし、長期的に見て持続可能な、社会教育活動・コミュニティ創生活動です。

具体的には、活動しやすい早朝に、高齢者社会教育団体地域の商店などが、寺院に集まり、簡単な寺院清掃と、お茶会を行おうというものです。寺院を特定の信仰者のためだけの宗教施設にするのではなく、社会のためのコミュニティ施設として位置づける新しい取り組みです。この活動を行うことで、高齢者の方々が交流を通じて、それぞれ興味のある社会教育・生涯学習へと進み、さらに参加者主体の町のイベントなどへと展開します。

その結果として、

1. 高齢者の孤立や孤独死といった社会問題の解決
2. 社会教育団体(生涯学習団体)の活動の幅の拡大
3. 仏教文化への関心の向上や、文化財などの再活用による文化レベルの向上
4. 地域経済の発展

を目指しています。

私たちが想定する具体的なメリットとして、

【地域の高齢者】
1. 社会との繋がりによって、孤立死の予防・健康寿命の向上
2. 社会教育団体を通じた、趣味・生きがいの発見
3. 学んだことを活かした社会参加(ボランティアや仕事など)

【社会教育・生涯学習団体】
1. 活動を通じた、新しい仲間の発見
2. 社会教育団体同士の交流による活動の幅の拡大
3. 寺院施設や文化財の活用による文化的なイベントの開催
4. 自身が主体となった企画の発信・街づくり

【福祉・医療】
1. 福祉・教育・経済の次世代を担う人材育成プログラム
2. 社会福祉コストの削減

【寺院】
1. 「人」と「寺院」との結びつき
2. 寺院を中心とした新しいイベントの創出
3. 仏教文化の関心の向上

【地域経済】
1. 町おこしによる消費の創出
2. 高齢者のニーズの顕在化
3. 街の付加価値の創出

などがあげられ、これにより教育や福祉の向上、地域創生に寄与します。また、寺院は全国的に展開しているため、日本全体の問題にアプローチ可能です。もちろん、寺院だけでなく、教会、神社といった施設でも、「しゅりる」をモデルケースとして行うことは可能です。

※約77,000ヶ寺


コラム:「しゅりる」の名前の由来

私たちの活動「しゅりる」は、仏教説話の登場人物「周利槃特(サンスクリット語でチューダパンタカの音訳で「しゅりはんどく」、意訳で愚路)」から名付けました。
出家者の団体規則や出家作法を記した「律」には、お釈迦様をはじめとする出家修行者のエピソードが数多く述べられており、周利槃特のエピソードは「根本説一切有部」という上座部の資料に残っています。また、彼は日本のアニメ『天才バカボン』(バカボンという言葉もインドの言葉から取っている)に登場する「レレレのおじさん」のモデルになった人ともいわれています。

周利槃特はあまりにも愚鈍で、出家する前にも、バラモン(*1)である親の財産を食いつぶしてしまい、出家者になってからも経の一句さえ覚えられませんでした。
一人で社会生活することさえ困難であるのを見た優秀な兄・大路(マハーパンタカ)から出家を提案され、僧侶として生活することとなりましたが、あまりの愚かさから、兄からもあきれられてしまい、他の修行僧からも責められる毎日。何をやってもダメな自分が嫌になり、ついに心が折れてしまいました。

その時、愚路(周利槃特)は房外で、胸を交え、涙を流しながら、「私はもはや俗人でもなく、また出家でもないのだ…」と嘆きました。

「是時愚路乃於房外泣涙交胸而長歎曰。我非在俗復非出家。」(「根本説一切有部律毘奈耶」『大正新脩大蔵経』23巻796頁下段)

なんと悲しいことでしょう。「もうこの世界のどこにも居場所がない」と感じたのです。日本でも「非俗非僧」という言葉がありますが、はるか昔に周利槃特さんも「非在俗復非出家(俗にあらず、また出家にあらず)」と感じていたのです。

お釈迦様は、そんな姿を見て、周利槃特にお掃除だけを命じました。
「塵(ちり)を払わん、垢(あか)を除かん、この言葉を唱えながら、お掃除しなさい」とだけ唱えながら、お掃除をしてみなさい、と。
ところがその言葉さえも覚えられなかったので、何度も何度も教えてあげることになりました。

そして、ついに「塵を払わん、垢を除かん」が唱えられるようになりました。その時気づいたのです。
「自分の心にある迷い(煩悩)とは、塵や垢のように積もっているんだ」
彼はついに「気づき」を得ました。自分の困難と向き合って、その中で発見したのでしょう。


人間は、どのような時でも「気づき」を見つけられます。困難から目を背けず、向き合うことが大事です。
皆様も「しゅりる」をきっかけとして、新しい発見や地域の活性化をしてみませんか。

(参考資料:『根本説一切有部毘奈耶』)

(*1) バラモン…「ヴァルナ」と呼ばれるインドの身分制度の一つ。バラモン(祭司)・クシャトリヤ(武士)・ヴァイシャ(平民)・シュードラ(隷属民)の分類される、親から相続する身分制度。この他、「ジャーティ」という職業や地縁・血縁といった共同体単位の身分制度があり、ヴァルナとジャーティをあわせて「カースト制」という。